終活のなかで、葬儀費用の準備は、遺言書の作成やお墓の用意と同じくとても重要です。掛け捨ての保険以外にも準備の仕方がいくつかありますので簡単にご紹介しましょう。
生命保険(死亡保険)
『定期死亡保険』:保障される期間が〇年、或いは〇歳までと限られているもの。
『終身死亡保険』:保証期間に定めが無く、保険の対象となる方(被保険者)が亡くなるまで契約が続くもの。
葬儀保険
葬儀費用の準備金に特化した保険で、自身が死亡した際の葬儀にかかる費用を賄うための保険で、少額短期保険(ミニ保険)に含まれます。少額短期保険業者は、保険契約者保護機構制度の対象ではありません。
互助会
結婚式やお葬式にかかる費用を「事前に積み立てる」ことにより、低料金で儀式がとりおこなえる会員制の仕組みです。互助会は「一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会(全互助)」が推進している制度で、経済産業大臣からの許可を与えられた企業だけが行える事業です。
選び方・ポイント
「掛け捨て」か「積立て」か?
掛け捨ての保険は月々の支払額が比較的低くなりますが、解約する際に返金はありません。対して、互助会は掛け捨てではないので、解約の際には手数料を差し引いた積立金が返ってきます。
使い道は葬儀だけか?
葬儀保険は葬儀費用の準備に特化しており、その他のセレモニーには使えませんが、互助会の場合は、結婚式と葬儀の他に、七五三、成人式などの通過儀礼にも利用することができます。
葬儀の準備をどこまでしておくか?
葬儀場や葬儀社が内定している場合には、その葬儀社が提供している互助会が便利です。予め葬儀の内容まで打ち合わせし、概算見積りを取ることもできます。 対して、保険の場合には、加入する際の審査に加えて、保険金を受け取る際の手続きが必要になります。
手続きとお金の流れ 比較
保険の場合
保険金を受け取ってから、葬儀会社に葬儀費用として支払う
死亡保険金受け取り事由発生
<対 保険会社>
- 契約者または保険金受取人が生命保険会社に連絡(書面・口頭)を入れる
- 生命保険会社から必要書類の案内と請求書が送られてくる
- 保険証券に記載されている保険金受取人が請求手続きを取る
- 生命保険会社による書類受付~支払可否判断
- 死亡保険金を受け取る
<対 葬儀会社>
- 搬送・安置
- 葬儀内容の打ち合わせ
- 納棺・通夜
- 葬儀・告別式
- 火葬
- 葬儀費用を支払う(保険金より)
互助会の場合
積立金を葬儀費用に充当、不足分のみ支払う
死亡保険金受け取り事由発生
互助会に加入(打ち合わせで大まかな葬儀プランを選ぶ)
死亡保険金受け取り事由発生
<対 葬儀会社>
- 搬送・安置
- 葬儀内容の詳細を決める
- 納棺・通夜
- 葬儀・告別式
- 火葬
- 葬儀費用を支払う(積立金から充当、不足が生じた場合は不足分のみ支払う)